静岡県大会(9月19日)の西部地区代表8校が出そろい、出場する全25校の顔ぶれが決まった。秋の県大会初出場を狙う浜松日体は、14-9で浜松湖東に快勝。好調な打線が力を発揮し、3試合連続の2ケタ得点となった。

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白柳拳斗投手(2年)は、最後の打者を打ち取った瞬間、両手で小さくガッツポーズした。浜松日体の歴史をぬり変え「うれしかった」と白い歯を見せた。11点差がついた8回。勝ち急いで投球が甘くなり、6失点した。意識を改めた9回は制球に気を配り、3人で締め「(大量得点した)チームに助けられました」と胸をなでおろした。

打線はこの日、14安打14得点でエースを支えた。白柳自身も3安打3打点。「うちは打撃のチーム。投手も打たないと勝てないので、やるべきことをした」と胸を張った。チームは1回戦で11得点、2回戦で12得点を挙げた。今大会は自慢の打線が爆発し、地区予選を勝ち抜いた。

好調の要因は、昨年2月から始めた「月間スイング3万本」のノルマだ。各選手が、自身のスイング数を表にまとめ、毎月21日に提出。学校から支給されたタブレット内のアプリ上で共有し、お互いを刺激し合っている。投手陣も、投球練習より多い時間を打撃練習に割き、チーム全体で打力向上に努めた。休校期間中に手を緩める選手はなく、チームの中心選手・鈴木颯内野手(2年)は「みんな、打球の飛距離や速度が上がった」と成果を示した。

先制点を奪い、試合の主導権を握る「先手必勝」がチームのスタイルだ。杉田享監督(39)は「凡事徹底。県大会でもやるべきことをして、攻撃的な野球ができれば」と先を見据えた。未知の舞台でも、フルスイングを貫く。【河合萌彦】