加茂暁星が逆転サヨナラの5-4で新潟明訓に勝ち、初優勝を決めた。3-4で迎えた9回裏2死二、三塁で、背番号15の白崎勇希(2年)が左越えに逆転サヨナラ打。第3代表決定戦も関根学園が東京学館新潟に3-2のサヨナラ勝ち。2-2の9回裏2死一、二塁で尾身颯太(2年)がサヨナラ打を放ち、第3代表を引き寄せた。上位3校は、10月10日開幕の北信越大会(富山)に出場する。

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白崎の放った打球は、初優勝の夢を乗せ、左翼で弾んだ(記録は単打)。2-2から9回表に2点を奪われ迎えた裏の攻撃。1点を返してなお2死二、三塁のチャンス。「もともとスタメンだった林君(陽亮)の分まで決めてやろうと思った」。真ん中高めのカーブに反応し逆転サヨナラ打。林は23日が17歳の誕生日。この一打は絶好の誕生日プレゼントになった。

高橋諒監督(26)は「試合を重ねるごとに自信をつけてきた。高校生の成長の早さを実感する」と話した。先制されて追いつき、突き放されても土壇場で逆転する強いメンタリティー。ベンチで高橋監督の横に座った椿大雅主将(2年)は緊迫した試合を「『楽しいっす』と話していた」と指揮官は振り返る。

大会を通じて、成長を鮮やかに体現した1人が白崎だった。スタメン入りは準々決勝の日本文理戦(4○0)から。打撃フォームを右脇を上げる形に変更して、どんな球種にも対応できる打者に急成長した。「着実に強くなっていると感じた」とチームの進化を実感している白崎は「自信がついた」と北信越大会でも快打を披露する。【涌井幹雄】