誰からも認められる「世代NO・1」に、プロの世界でなる!中日などがドラフト1位の最有力候補に挙げる中京大中京の154キロ右腕・高橋宏斗投手(3年)が21日、名古屋市内の同校でドラフト前の心境を語った。

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高橋は、12球団OKを改めて口にした。「12球団どこでも、指名してくださることに感謝したい」とハキハキした口調。慶大進学がかなわなかった6日の進路会見時とは違い、プロ入りだけを見据えた表情は凜(りん)としていた。

愛知・尾張旭市出身。中日が1位指名を検討しているという報道に「そのことは、うれしい」と話した。「小さいころから見て育った。育ててくれたのはドラゴンズ。憧れのすべてが詰まっている」と、地元球団からここまで影響を受けた思いを口に。小学6年時にドラゴンズジュニアに選ばれた時のことは「同じユニホームを着られて誇りを持ったし、重みも感じました」と選出に感謝した。

中日だけでなく、高橋のプロ志望表明で、多くの球団がドラフト戦略を練り直した。それほどの高評価を得ているが「まだ世代NO・1にはなりきれていない。明石商の中森(俊介)投手や智弁和歌山の小林(樹斗)投手に劣っている部分もある。刺激をもらっている。プロでも(世代NO・1に)こだわっていきたい」と上のステージで競い合い、高め合う。

昨年末からひと冬で、148キロから154キロへ球速が増した。オリックス山本がやり投げのような道具(ターボジャブ)を使って行うジャベリックスローの動画を投手リーダーだった高橋が取り入れ、投手陣全員が5キロほど球速アップしたという。今もプロやメジャーなどの練習動画を、2時間研究することもある。「プロとなって勝てる投手になるために、すべてをレベルアップしないといけない」。運命の日を待つよりも、すでに頭の中はプロ入り後、活躍するための準備でいっぱいのようだ。【石橋隆雄】