宮城高野連は25日午後、名取文化会館(名取市)で評議員会を開催し、コロナ禍で延期していた功労者表彰や指導者講習会を行った。加盟73校の部長や監督ら約90人が出席。評議員会前は、日本高野連から育成功労賞を受賞した佐藤政信氏(65=元鹿島台商監督)ら26人(審判員含む)を表彰した。指導者講習会では、西武の松坂大輔投手(40)らを輩出した横浜高校で監督や部長を歴任した小倉清一郎氏(76)が「勝つ野球」と題して講演。横浜高在任中、春夏通算16度の甲子園で3度の優勝に導き、松坂ら多くの一流プロ野球選手を育成した指導者は約1時間半、身ぶりや手ぶりを交え、ホワイトボードを使いながら「小倉ノート」の一端を披露した。

講演では76歳とは思えない若々しさでキャッチボールや、バットコントロールの方法を説明。現役時に捕手だった視点も加え、「無くて七癖、しっかりと(相手の)データを取ることが大事」と、状況に応じた各ポジションの動きを解説した。後半の質疑応答では相手打者の心理の裏をかく捕手のリード法も、惜しみなく公開。選手育成に関する質問に「僕にとって一番難しい質問。これまで選手に恵まれて下手な選手を指導したことがないからね」と後輩指導者たちを笑わせた。【佐々木雄高】