今年もやります! 秋に行われるプロ野球ドラフト会議の指名候補選手を日刊スポーツのオリジナル野球カード付きで紹介する「ドラフト候補全員!? 会いに行きます」。まずは高校生編から。高知・森木大智投手(2年)は中学時代、軟式で150キロを計測した剛腕だ。

「スーパー中学生」の枕ことばは、もういらない。中3夏に軟式史上最速とされる150キロを出してから約2年半。高知・森木が高校ラストイヤーに臨む。

最速151キロを誇る直球はうなるように寒風を斬る。21年ドラフト目玉の剛腕だが、まだ甲子園に立ったことはない。1年夏は県決勝、センバツをかけた2年秋は四国大会初戦で涙をのんだ。“森木=完璧”のイメージに悩んだこともある。だが今では「吹っ切れた」とさわやかに笑う。「甲子園を目指す中で、成長過程を楽しんでいきたい」。今冬は球速、制球力アップを目指し、下半身や柔軟性を重点強化中。「最後の夏に155キロを投げたい。やるしかないです」と明確な目標を定める。

「高卒ドラ1でプロに行きたい思いはあります」。プロへの夢は、同じ高知出身の藤川球児の「火の玉ストレート」に憧れ、小学3年で野球を始めてから一貫する。「最近は小園(市和歌山)とか関戸(大阪桐蔭)とか150キロ以上を投げる選手がいる。球速は負けているかもしれないけど、総合力は負けていないです」。

森木流の「火の玉ストレート」を進化させ、最後の夏、聖地を目指す。【望月千草】