「機動破壊」改め、「強打破壊」の高崎健康福祉大高崎(群馬)が快勝した。

打線に勢いを付けたのは、2番の吉里竜門遊撃手(2年)だ。1-0の6回1死二塁で、相手の2番手左腕の初球、真ん中に入った直球を振り抜いた。「いったと思いました」と手応えバッチリ。左中間に放り込む2ランは、チームの今年第1号となった。

部員の総通算本塁打は230本を超える。この日のスタメンの試合前時点での通算は次の通り。

1番右翼 堀江 17本

2番遊撃 吉里 2本

3番一塁 桜井 7本

4番二塁 小沢 35本

5番三塁 森川 23本

6番中堅 高村 19本

7番左翼 野中 14本

8番捕手 綱川 21本

9番投手 今仲 0本

計138本。

ただ、吉里がもっとも少ない。「悔しかったです。今日で3本目。僕にとって、ホームランは特別。うれしいですね」と照れ笑いを浮かべた。

もっとも、本塁打が少ないからといって、当てにいくだけのスイングはしない。チームの決まり事である「目付けを高く」を実践。攻撃中は「高く、高く」とベンチから声が飛ぶ。その上で、追い込まれてからでもしっかり振った。

相手の先発左腕、飯田に対しては、5回1安打のみ、7三振で0点に抑えられた。吉里は「コントロールが良かった。低め、低めに投げられ、なかなか穴がなかった」と率直に認めた。ただ「甘い球が1球も来ないことは少ない」と焦りはなかった。代わった2番手の甘い1球を見逃さなかった。

昨秋関東大会を制し、今春センバツに乗り込む。強打が売りのチームで、つなぎ役の2番打者でもスイングは強い。ネット裏のスカウトからは「誰でもホームランが打てそう」との声が聞かれた。吉里は「僕は2番打者。甲子園でも(4番でチーム最多本塁打の)小沢より先に1発、打ちたいですね」とおどけた。【古川真弥】

▽明秀学園日立・飯田真渚斗投手(5回1安打無失点。高崎健康福祉大高崎打線の印象を問われ)「1番から9番まで振りが強く、気が抜けない。雰囲気があります」