春季高校野球静岡県中部地区大会が22日、静岡市の西ケ谷球場ほかで行われ、1回戦で静岡高が、10-0の6回コールドで科学技術を下した。プロ注目のエース右腕・高須大雅(3年)が投打でチームをけん引し、今月限りで退任が決まっている栗林俊輔監督(48)に白星を届けた。

投球では、先発して6回を投げ、許した安打はわずか1。12奪三振で完封した。西ケ谷球場では、1年秋の静岡市内大会以来の登板。初回は慣れないマウンドに戸惑い、制球を乱した。持ち前の対応力の高さで乗り切ったが、「立ち上がりの変化球の精度は、今後の課題」と振り返った。8番に座った打撃でも、2安打4打点の活躍。「打つのも好きなので、思い切りいけた」と胸を張った。

19日の全体練習後、恩師から退任を伝えられ、涙を流した。「(在任期間が)長かったので、もしかしたらとは思っていた。自分の最後の夏に、一緒に戦いたかった」。この日は、「栗林監督のために」という思いもあったが、心を抑え「いつも通りやることを意識した」と明かした。

20日には、センバツの「三島南-鳥取城北」をテレビで観戦し「今まで以上に、甲子園で勝つことへの思いが強くなった」と力を込める。県大会出場を懸けた27日の2回戦は、指揮官との最後の公式戦となる。「これまで教えてもらったことを全部出す。栗林監督に認めてもらえるようなプレーをしたい」と、強い決意を口にした。【河合萌彦】