桐蔭学園は、先発の山口凱矢(がいや)投手(2年)が7回を投げ1安打無失点に抑える好投に、打撃陣は10安打5得点と、投打にかみ合い勝利した。

今秋のドラフト候補にも挙がる松下歩叶(あゆと)内野手(3年)が打線をけん引した。5打数3安打で、5回にはダメ押しの5点目につながる左越え二塁打を放った。「打った球は真っすぐ。狙い球ではなかったんですが、体がうまく反応できた。納得のいく1本でした」と胸を張った。

DeNAの森敬斗内野手をリスペクトしている。入学時の3年生で、同じポジション。寮は同じ部屋だった。「森さんのように、チャンスで1本を打てる打者になりたい」と、その背中を追いかけた。何でも吸収しようと、質問攻めにした。今も参考にしているのは打席でのタイミングの取り方だ。「まずは自分の待っているボールを待ち、当てにいかずしっかり振る」。松下はこの日の第3打席を振り返り「(森さんに)言われた通り打てました」と笑顔を見せた。

しかし、まだ納得はしていない。「今日は打点を残せなかった。次はそこにこだわっていきたい」。まだまだ先輩の背中は遠い。

森と交わした約束を果たす。19年夏、神奈川県大会で敗戦した後「次はお前の番だ。お前が(甲子園に)連れて行け」と甲子園出場を誓った。松下は「その前に、春、優勝して関東大会に出場したい」。力強く話した。