県大会が開幕し、上尾が1回戦を突破した。ふじみ野に8回コールドで勝利した。

先発の新井陸斗投手(3年)が走者を背負いながらも粘りの投球。直球とスライダー、カットボールで打たせてとり、8回を被安打7で完封した。「相手は右打者が多かったので、直球で押せていたと思う」と振り返った。

緊急事態宣言の影響を受け、チームの練習が再開したのは3月25日から。自主練習の期間が長かったが、ランニングや筋トレで体を鍛えた。メンタル面でも、日常から「興奮しないように」と冷静さを保つ取り組みをしていた。「強化する時期がなくなってしまって、公式戦に向けて調整しきれなかった。悪いなりにも試合を組み立てられるのがいい投手だと思うので、しっかり調整したい。目の前の試合に全力でぶつかりたい」と意気込んだ。

県大会から有観客での開催となり、上尾ファンもスタンドに訪れた。高野和樹監督(53)は「日頃から声援をいただいていて、そういう方々に支えられている。1試合でも多く試合を見せて、感謝の思いを伝えたい」と話した。

ふじみ野の阿部飛雄馬(ひゅうま)投手(3年)も好投しており、高野監督は「相手の投手の気持ちが伝わってきた。(上尾の)選手たちにも、ああいう風に野球をやろうと伝えた」と感謝していた。