横浜・金井慎之介投手(3年)は「去年の秋も同じ形で試合に負けて、自分も同じ形で降板した。成長した姿を全く見せられない試合になりました」と悔しさをかみ殺すように話した。

今春初先発で大きく制球を乱した。初回、先頭にすっぽ抜けのボールが続いた後、四球を与えた。暴投、死球で傷口を広げ、内野ゴロの間に1点を先制された。2回は3人で抑えるも、3回は先頭から死球、安打、死球、四球で押し出しの2点目を与え降板。2番手投手も流れを止められず、金井は2回0/3、1安打5四死球5失点だった。

最速148キロ左腕として、今秋ドラフト候補に挙がる。素材は高く評価されるが、昨秋も先発した東海大相模との準決勝で制球を乱し、敗れた。「フォームを確立するのが大事」と、毎日シャドーピッチング。ブルペンでは制球も安定してきたが、横浜スタジアムのマウンドでは通じなかった。「気持ちの整理がつきませんでした。自分の弱さです。気持ちをコントロールしないと、チームを勝たせられない。力みもあって、腕の振りと球がバラバラになってしまいました」と修正がきかなかった。

村田浩明監督は「私が使っている。自信を持って送りました」と、金井を責めなかった。「今日の負けを次につなげたい。どこかでエースを復活させないと、横浜高校の夏はない。私も、選手全員も、そう思っています」。安達大和主将(3年)は「金井を勝たせたかった」。冬の期間も、肘を痛めていながらも率先して投手陣をまとめる金井の姿を見ていた。

金井は「もう1度、フォームを一から見直します。気持ちをうまくコントロールしないといけない。日々、厳しい練習をしながら、自分を変えていきたいです」と最後の夏へ向け、決意を口にした。