静岡商が、今春東海王者の掛川西に3-2で競り勝った。先発のエース中沢大賀投手(3年)が、5回2安打2失点と好投。2点リードの3回に一時同点となる2ランを浴びたが、その他は緩急を駆使し、相手に的を絞らせなかった。

安定感のある投球を見せたが、本塁打を許したことには「カウントを取りにいったまっすぐを仕留められた」と不満顔。被弾した直後の4回には、先頭から2者連続四球。「切り替えができていなかった。今日の反省点です」と、悔しさをにじませた。

それでも、チームの状態には満足している様子だ。コロナ禍の影響で、対外試合ができなかった5月中旬からの1カ月間、ナインは猛練習。中沢もポール間走を毎日40本行うなど、体力と精神面を強化した。「本番では、自分たちのスタイルである後半勝負ができると思う」と自信満々だ。

対外試合解禁後、チームは今夏の第5シード加藤学園(8○4)、第3シード浜松工(5○2)に連勝。この日は、第2シード掛川西も退けた。天竜と対する10日の初戦に向け、士気は上がっている。「あとは、大会の緊張感の中でどれだけやれるか」と中沢。15年ぶりの甲子園出場に向け、意識も高まってきた。【河合萌彦】

○…掛川西の打線は4安打に封じられた。ただ、春の東海大会で打率5割(14打数7安打)の1番狩俣藍生(あい)内野手(2年)が、3回に右越え2ランと好調を維持。沢山優介、榊原遼太郎(ともに3年)の主力2投手の代わりに先発した高橋遼冬(はると、3年)は、3回2失点ながらも、無四球と安定していた。大石卓哉監督(41)は「走塁や守備で確認ミスなどがあった。(18日の初戦まで)残り2週間。基本に立ち返り、やってきたことを見直したい」と話した。