春3位の市岐阜商の主戦で最速146キロ右腕、高橋知亜(ともあ)投手(3年)が3回無安打無失点と完璧な投球でチームを初戦突破に導いた。

相手を寄せ付けない圧倒的な投球だった。2回に球場表示でこの日最速の143キロをマーク。1回2死からは3回の先頭打者まで5者連続三振に打ち取った。その後、3回まで投げ、1本も安打を許すことなくマウンドを譲った。「初戦の難しさがあったが、チームにいい雰囲気を持ってくることをテーマに投げた」と振り返った右腕。打線もエースの奮闘に呼応するかのように2回から猛攻を仕掛けた。2死満塁の場面で1番佐藤孝昭外野手(3年=主将)が右越え適時二塁打を放ち一挙3点。その後も打線がつながり快勝を収めた。

高橋の最大の特徴はキレのある直球と大きなカーブだ。視察した中日清水スカウトは「完璧な内容だった。直球に角度があり同じ140キロでも全然違う。変化球も良く器用な選手」と舌を巻いた。

春の大会では今春のセンバツにも出場した県岐阜商に勝利するなど力を付けてきた。過去、夏の甲子園に4度出場。好発進を見せたスーパーエースがチームを13年ぶりの聖地へ導く。【山崎健太】