須賀川桐陽は7回コールド負けでも、3年生3人はすがすがしい表情を浮かべた。

1年夏から、背番号1をつける塩田治希投手は「気持ちを切らさずに、最後まで投げることができた。充実していたので悔いはない」。2回まで、1安打無失点に抑えるも、3回に打者一巡の猛攻で、5失点を許した。続く4回にも3点を奪われたが、懸命に左腕を振った。102球に3年間の思いを込め、残り2イニングはきっちり無失点で締めくくった。

昨秋は人数不足で、生徒会役員会、陸上部から5人の“助っ人”を借りた。今春は新入生7人が入部し、12人で単独出場を果たした。就任8年目の大橋徹監督は「数年前は40人くらいの部員がいたので、AチームとBチームがつくれていた。3年生は少人数でつらいこともあったと思うんですけど、最後まで粘り強く戦ってくれた」と3年生のここまでの歩みをたたえた。

受験モードに切り替える。塩田は「(高校野球で)礼儀やあいさつを学んだ。将来の夢は教師になることです」と教育大志望を打ち明けた。高校野球で培った経験を糧に、次のステージで飛躍する。【佐藤究】