<高校野球神奈川大会:慶応5-4桐蔭学園>◇12日◇1回戦◇サーティーフォー保土ケ谷球場

憧れの先輩たちと甲子園を目指す夏は、82年以来の初戦敗退で幕を下ろした。桐蔭学園の2年生エース、山口凱矢(がいや)投手は声を振り絞った。「序盤、先輩たちに守備で助けてもらったのに、中盤のエラーをカバーできなかったのが悔しい。申し訳ない気持ちでいっぱいです」。変化球が決まらず、高めの直球を狙われて7回途中4失点。敗戦の責任を一身に背負った。

「先輩たちと1日でも長く野球をする」ことが、山口凱の目標だった。3年生の木本圭一主将、松下歩叶(あゆと)内野手、勝間田礼琉(らいる)捕手は、静岡裾野シニア時代から5年間チームメート。18年には、ともに中学シニア日本一になった。特に、投手経験があり、寮も同部屋の木本は昔から憧れの存在で頼れる先輩。この日も1点を追う9回先頭で三塁打。ホームは踏めなかったが、主将の意地を、しっかり目に焼き付けた。

「投手の桐蔭と言ってもらえるよう、レベルアップしていきたい。そして、甲子園で活躍する姿を(先輩たちに)見せたい」。今度は自分が、頼られる先輩になる番だ。【勝部晃多】