春季県大会4強の和歌山東がコールド発進した。右腕田代生成(3年)が、130キロ台中盤の速球とスライダーのコンビネーションで7回を4安打無失点。9番打者だが、3-0の6回裏無死満塁で走者一掃の左翼線二塁打を放つなど投打でチームを引っ張った。

田代は「立ち上がりは気持ちが入りすぎて、力んで、球が高めに浮きました。点数は70点」。勝負の流れを決定づけた3点適時打は「インコースの球に詰まったけど、いいところに落ちてくれた。だから、たまたまです」と照れくさそうに振り返った。

チームは「甲子園ベスト8」を目指す。主将の江川日那太二塁手(3年)は「昨秋の近畿大会に出ながら、初戦で負けて甲子園をあと1歩で逃した。だから、甲子園出場という意識ではダメ。世代でNo.1の(市和歌山)小園君がいる。彼を打つために」と高い目標の理由を説明。今秋ドラフトで高校生の“目玉”になる剛腕小園健太(3年)のいる市和歌山とは新チーム結成後、新人戦決勝で6-2、秋季県大会決勝で2-8と1勝1敗だが、2試合とも途中から登板した小園は打ち崩せなかった。

市和歌山、智弁和歌山という2強撃破を狙う和歌山東の夏が始まった。