専大松戸のプロ注目右腕・深沢鳳介投手(3年)が、息詰まる投手戦を制した。

限界だった。1-0で迎えた9回裏、2死三塁。深沢は、最後の打者の打球が二塁手から一塁手に渡った瞬間を見届けると、ガッツポーズをしながらマウンド上に倒れ込んだ。この日の球場は30度を超える真夏日。暑さでつった足の痛みをこらえながら投げきった。炎天下での完封勝利。チームメートに両脇を抱えられながら整列に加わった。エースとして、最後まで投げきる。深沢の意地が最後までマウンドに立たせた。持丸修一監督(73)は「今日は深沢に尽きる。失点してはいけないところで、踏ん張れるようになりましたね」と目を細めた。

140キロ前後の力のある直球と、2種類のスライダーを軸に5安打されながらも9三振を奪った。自己最速も1キロ更新する144キロを記録。両サイドのコーナーに、緩い変化球はゾーンの奥行きも使った。相手打者に的を絞らせず、ピンチには三振を奪った。

この試合を視察したロッテ榎アマチーフスカウトは「テクニックがあり意識が高い。追い込んでボール球で誘ったり、投げミスも少ない。長いイニングでゲームプランが立てられる投手ですね」と評価した。

投手戦を制し、専大松戸は勢いに乗る。持丸監督は「こういう苦しい試合をものにできると士気は上がる。勝つ気持ちを持ち続けることが大事。次も頑張ります」と力を込めた。