秋の県大会準優勝の東邦が8回コールド勝ちを収めた。先発の最速144キロ左腕の知崎滉平投手(3年)は初回、相手のプロ注目打者、星野真生(まお)内野手(3年=主将)に先頭打者本塁打を打たれ先制を許すも要所をきっちり締め、8回10奪三振2失点にまとめた。知崎は「いきなり先制されたがすぐに割り切れた。1人1人丁寧に投げた」と振り返った。打線も中盤以降つながり、18安打9得点を挙げた。

名門の主将を務める鈴木唯斗外野手(3年)は抜群のバットコントロールを誇り、中学時代U15日本代表にも選出された逸材だ。中京大中京・畔柳亨丞投手(3年)とはSASUKE名古屋ヤングの同僚で「亨丞に抑えられるのが一番悔しい。この夏は絶対に打つ」と闘志を燃やす。この日の試合も2安打を放ちチームでけん引した。「いつも知崎に助けられているので夏は自分たちが助けようと思っていた」。

投打の主役が躍動し難敵を撃破。山田祐輔監督(31)は「安定感のある知崎と対応力のある鈴木が力を発揮してくれた。2人とも信頼している」と笑顔で話す。強豪ひしめく愛知大会。春夏47回の甲子園出場を誇る強豪が主軸の活躍で5回戦に駒を進めた。【山崎健太】

◆鈴木唯斗(すずき・ゆいと)2003年(平15)11月4日、名古屋市生まれ。高針台中ではSASUKE名古屋ヤングに所属し、18年にU15日本代表としてW杯に出場。東邦では1年春からベンチ入り。高校通算29本塁打。50メートル6秒3。遠投110メートル。目標の選手は中日大島洋平。177センチ、80キロ。左投げ左打ち。