常総学院が土浦日大の猛追を振り切り、準決勝進出を決めた。

初回から強気で攻めた。1回裏、1死二塁から3番の三輪拓未内野手(3年)がスライダーを捉え、中越え適時二塁打で先制。次打者が四球を選びなおも一、二塁から6番で先発の秋本璃空投手(3年)が中越え適時二塁打を放ち、3点を挙げた。その後、両チーム得点を重ね、常総学院1点リードで迎えた9回には、4回途中から救援した大川慈英投手(3年)が、1死一塁から強気の投球で2三振を奪い試合を締めた。

常総学院は勝利したものの、残塁が13と好機に得点できず。島田直也監督(51)は「自分たちで苦しめている。これが最後の夏というプレッシャーなのか。ウチらしくない試合でした」と振り返った。そんな中で島田監督が評価したのは春の大会からエース番号を背負う大川投手。3失点したものの「この夏は、エースとして自覚が出てきた。少し負担をかけすぎているかな」と思いやった。

成長をマウンドで見せた。大川は「プロ野球のエースと言われる投手の動画をいろいろ見て、抑えるポイント、ギアチェンジの仕方をいろいろ見ました」と、エース道を学んだ。この試合も、低めにコースを突き、打たせて取った。走者を出すとギアを入れ直し、140キロ前半の真っすぐで三振を奪い5回1/3を投げ6安打5三振と、実戦に生かした。

春は島田監督に「ただ投げているだけ」といつも指摘されていたが、試合をつくりチームを乗せる。大黒柱の風格が出てきた。大川は「エースを任されたからには、勝つことが全て。信頼されるエースになりたい」と力を込めた。1戦ごとに成長する。常総学院の夏は、終わらない。