ともに夏20度目の夏甲子園を目指した鹿児島の伝統校対決は、樟南に軍配が上がった。

実家が浄土真宗のお寺、善妙寺の樟南の“一休さん”が決勝でもタフネスぶりを発揮した。決勝まで全6戦に先発した最速145キロ左腕のエース西田恒河(ごうが)投手(3年)が、気迫の今夏初完封で優勝に導いた。

決勝で解禁した秘密兵器のスプリットを決め球に、強打の鹿児島実打線から8三振を奪い、7安打完封。6月に習得して以降、県内での練習試合でも隠し続けてきた伝家の宝刀が大一番でさく裂した。甲子園での目標を問われ「失点しないで、チームを勝利づけられるような投球をしたい」と意気込んだ。

樟南は16年以来5年ぶりの夏の甲子園出場。これまで夏の甲子園には19度出場で鹿児島実と並んでいたが、今夏で県内単独最多となる。

 

◆樟南 1883年(明16)博約義塾として創立の男女共学私立校。1994年に鹿児島商工から現校名。普通科、商業科、工業科があり、生徒数は1179人(女子544人)。野球部は1954年創部。部員50人(マネジャー3人)。甲子園は春7度、夏は16年以来20度目で94年準優勝が最高。主な卒業生に鶴岡慎也(日本ハム)浜屋将太(西武)ら。鹿児島市武岡1の120の1。山崎隆志校長。