第103回全国高校野球選手権大会(9~25日、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、オンラインで行われた。注目の世代最速157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)を擁するノースアジア大明桜(秋田)は、大会第3日の第1試合で帯広農と対戦する。昨夏は新型コロナウイルスのため大会中止。原則無観客だが、2年ぶりに夏の甲子園が帰ってくる。

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世代最速の男が、甲子園デビューを果たす。今秋のドラフト上位候補にも挙がる風間だが、これまで聖地とは無縁だった。今春のセンバツは市和歌山の小園、天理(奈良)の達らライバルがマウンドで躍動する姿をテレビ観戦。「甲子園で活躍している投手は『勝てる投手』と言われてるので、自分も負けないようにしたい」と悔しさをパワーに、ラストチャンスをものにした。

150キロ台の直球を連発する剛腕だ。秋田大会決勝では、112球の熱投で3安打完封。変化球中心の組み立てでも150キロ台を22球をマークし、その割合は全体の20%を占めた。スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと変化球4球種も高精度で、「真っすぐだけではないのを見せたい」と総合力で勝負する。輿石重弘監督(58)も「彼の持ち味はストレートですけど、変化球もすばらしいものがある。注目を浴び、プレッシャーもありますけど、そういう中で力を発揮するタイプの子」と絶大な信頼を寄せる。

兄2人がたどり着かなかった夢舞台に立つ。風間は4兄弟の三男で、長男球道(きゅうどう)さん、次男球星(きゅうせい)さん、四男球志良(きゅうしろう)さんと全員が野球経験者。「甲子園で勝たないと意味がない」と強い決意で、「日本一」と「158キロ」の2つの目標に挑む。「自分のピッチングを全国に見せつけたい」と言い放つ野球の申し子。帯広農を相手に、いよいよ甲子園でベールを脱ぐ。【山田愛斗】

▽ノースアジア大明桜・中井稜貴主将「1戦1戦、決勝戦だと思って、自分たちの野球をしていきたい。まずは1つ勝って、そこからリズムを作って、優勝までいきたい」

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