「りんごっ子」の夏が幕を開ける。8年ぶり2度目の出場となる弘前学院聖愛は東北勢の大トリを務め、大会第7日に登場。石見智翠館(島根)との初戦を迎える。佐藤海主将(3年)は「わくわくしている気持ち。とても楽しみで、良い経験になるのかなと思います」と甲子園初陣を待ち切れない様子だった。

旧知の仲だ。原田一範監督(43)と敵将・末光章朗監督とは、ともに13年夏に甲子園出場を果たした。原田監督は「指導者仲間で、仲良しなんです。末光監督はPL学園時代に元ヤクルトの宮本さんと二遊間を組んだコンビなので、守備の指導には定評がある方です。投手を中心とした守備は鉄板じゃないですか」と話すように、石見智翠館は島根大会での失策はわずか1。決勝では山崎琢磨投手(3年)が、決勝でノーヒットノーランを達成した。

弘前学院聖愛は、青森大会準々決勝で八戸学院光星を7-6で逆転勝ち、決勝も青森山田に6-5と終盤に試合をひっくり返して聖地への切符をつかんだ。同大会のチーム打率は3割2分7厘と、上位から下位まで抜け目のない打線が持ち味。さらに全5試合で盗塁14と足を使った攻撃も兼ね備える。佐藤海主将は「自分たちの持ち味を発揮して、良い雰囲気や全力疾走を貫いていきたい」と力を込めた。

甲子園に初出場した13年夏は、全選手が津軽出身者の「りんごっ子」として、「聖地2勝」を挙げ、全国16強入りの快進撃を見せた。現甲子園メンバーも全員県内出身で「津軽から日本一」をチーム目標に掲げる。佐藤海主将は「日本一という目標がある。1つ1つ成長しながら戦って、東北勢初の優勝旗を持ち帰ってこれるようにやっていきたい」と力強く決意を示した。

 

弘前学院聖愛 1886年(明19)、弘前教会内に「来徳女学校」として創立された私立校。48年に聖愛、50年に現校名となる。00年から男女共学。生徒数は477人(女子317人)。野球部は01年創部。部員数は46人。夏は8年ぶり2回目の出場。最高成績は13年夏のベスト16。上位から下位まで抜け目のない強力打線を誇る。戦力評価B。主なOBは、王林(アイドル)ら。