第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)が10日に開幕する。この夏を待ち望んでいたのは、高校球児だけではない。「帰ってきた夏」と題し、アルプスに2年ぶりに戻ってくる吹奏楽部やチアリーディング部、応援団の部員を紹介する。

最終回は、日本航空(山梨)の甲子園応援団。アルプス席から吹奏楽団、ダンス部、太鼓隊が一体となって、エールを送る。

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日本航空の甲子園応援団は吹奏楽団、ダンス部(ウイングダンスカンパニー)、太鼓隊の3つの部活で構成される。それぞれの特徴を融合し、アルプス席からグラウンドへ、エールを届けるのが持ち味だ。

そんな応援をリードするのは、太鼓隊が奏でる洋太鼓だ。今年で創部42年を迎える太鼓隊は、過去に文化庁長官賞4回、文部科学大臣奨励賞2回を受賞。今回の応援団には全部員37人が参加する。洋太鼓を担当する金子誠拓さん(3年)は「応援は、頑張っている選手たちへ向けた演奏で楽しいです」と笑顔を見せた。

普段は和太鼓で演奏するが、洋太鼓に変わっても、手は抜かない。7月21日から18日間、石川県で強化合宿も行った。顧問の堀和江先生は「大きい音を出すためにはどこをどうたたいたらいいのか。音の質にこだわって練習を積んできました」と話す。和太鼓は外側と中心では力のかけ方によって音が変化し、「間」や「余韻」を作り表現する。金子さんは「洋太鼓はしっかりと中心を力強くたたかないと響かない。高く腕を振り上げ力強く打ち込み、手首のスナップで勢いをつけています」とコツを明かした。手のひらにはマメがたくさんできたが、10日の初戦に向け、毎日素振りを欠かさない。「練習量ではどこにも負けない。他の学校にはない洋太鼓の迫力。これが航空の音だ、と感じてもらいたい」と目を輝かせた。

チアガールを務めるウイングダンスカンパニーのキレキレのダンスにも注目だ。SMAPを始め、多くの芸能人の振り付けを担当した相良まみ先生の下、ミュージカルや地域のイベント、各地のお祭りなどにも出演してきた。昨年10月には情報番組にも出演。話題となった。部長の牧野莉々さん(3年)は「舞台では台本があり、気持ちをコントロールして表現します。でも、応援はチームや応援のみんなと気持ちを共有しながら、感情を前面に出すことができるので楽しいです」と笑みがはじけた。

普段の練習にはバレエレッスンを取り入れるなど、体幹を鍛え、指先や足先の美しさまで追及しているが、チアは動作が変わるという。「チアは選手はもちろん、遠くから見ているお客さまからもきれいに見えなければいけない。腕の角度や足の高さなどを考えて踊っています」と、チアの経験でダンスの幅を広げている。

表情の見せ方もコロナ禍ならでは。マスクを着用したままでの応援のため、笑顔がトレードマークのチアガールも表現が難しい。「私たちはミュージカルも経験している。目だけでも感情を表現できるよう意識しています」と舞台経験を生かす。「昨年は中止になり、先輩たちの悔しい姿を見てきました。そんな先輩たちの思いも込めて、応援したいと思います」と意気込んだ。

今年はコロナ禍での開催で、声を出しての応援は禁止。太鼓隊の金子さんは「前に攻めていく。力強さを表現したい」と気持ちを込めた演奏で、ナインを後押しする。ウイングダンスカンパニーの牧野さんは「野球応援の楽しさを込めて踊ります」と華やかに盛り上げる。甲子園応援団、一丸となりアルプス席からナインに勇気を届ける。【保坂淑子】

 

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