帝京OBで日本ハム、西武などで活躍した森本稀哲氏(40)は29日、今夏限りで勇退した恩師・前田三夫監督(72)について「引き際というのは、どこかで考えていたんだろうと思う」と思いを巡らせた。報道を知り、この日は直接、電話で話をした。「身体は元気だということはおっしゃっていたけど、後任を育てるということも考えられたのだろう」と話した。

自身は1年夏からレギュラーに抜てきされ、3年時には主将を務めた。「入学した前年に2年生(主体の)チームで全国制覇していたのに、軟式あがりで無名だった僕をレギュラー組に呼んでくれた。その期待に応えようと、とにかく必死だったし、自分が思っている以上にいい経験になった期間だった。自分の力を見いだしてくれたのかなと思うと運命を感じます」と振り返る。「さみしさはある」というのが素直な気持ちだが「名誉監督ということで、帝京の前田三夫は消えないんだなと思っています。まだまだ前田イズムを注入していってもらいたいです」と話した。