いざプロの世界へ。

三島南(静岡)の前田銀治外野手(3年)が30日、三島市内の郵便局でプロ野球志望届を送付した。大安吉日のこの日、満を持してプロ入りへ向けた第1歩を踏み出し「ようやく志望届を出すことができた。どこの球団でも拾ってくれるチームがあればという思い。育成でもプロに行きたい」と声を弾ませた。

今春センバツに出場し、鳥取城北との1回戦で2安打。「甲子園で100%のプレーができたことで自信になった」と、プロ志望の意志を固めた。県4回戦で敗れた夏の大会終了後も、新チームにまじって練習を継続。打撃練習では、木製バットへの対応に磨きをかけているが「ヘッドの出し方、芯に当てる技術がまだない。マシン相手なら金属より飛距離が出るが、生きた球にはまだ慣れない」と明かした。

182センチ、98キロの立派な体格を誇り、高校通算31本塁打。子どものころから西武ファンで、同チームの主砲だった清原和博氏、カブレラ氏に憧れている。特に清原氏については、ユーチューブチャンネルもよく見ており「清原さんの右打ちがかっこよくて、中学時代によくマネをした。今は、清原さんがもう1度本塁打を打つことを目指す動画を見て、練習法を参考にしています」。プロ野球歴代5位・通算525本塁打のレジェンドを手本に、プロでも長距離砲として活躍するためにバットを振り続けている。

10月11日のドラフト会議で指名されれば、三島南からは1966年(昭41)に東京オリオンズから4位指名された井深均さん(入団拒否)以来、2人目。プロ野球選手としても1964~65年に中日でプレーした山口春光氏以来、2人目となる。約1カ月半後の運命の日へ向け、前田は「自分は指名されるかどうかの境目の選手だと思うが、ワクワクしています」。青空の下、太陽の光を浴びた17歳の笑顔が輝いていた。

 

◆前田銀治(まえだ・ぎんじ)2003年(平15)11月19日、三島市生まれ。スルガマリンボーイズで野球を始めた。三島南高では中堅手兼投手としてプレーし、今春センバツに出場した。50メートル6秒0、遠投100メートル。右投げ右打ち。182センチ、98キロ。血液型AB。家族は両親と姉、兄。名前の由来は「いぶし銀な男になってほしい」との思いから。