北海学園札幌は札幌手稲に14-0で勝ち、11年ぶりの秋全道進出へ王手をかけた。

今秋からベンチ入りした背番号13の1年生左腕、中倉楓太が公式戦初先発で、札幌手稲を4回2安打無失点に抑えた。走者を出しながらも要所を締め、三塁を踏ませなかった。「思うようにボールをコントロールすることができなくて苦しい場面もあったけど、バックに支えられしっかり投げることができた」と振り返った。

札幌手稲のスタメンは7人が左打者。秋場拓也監督(33)の戦略で左対策として、先発には左腕の中倉に白羽の矢が立った。初回に左打者の3番横井、4番本間に連打こそされたが、直球と縦のスライダーを武器に7奪三振。そのうち左打者から奪った三振は5つと、起用に応えてみせた。「自分の球が公式戦でも通用するのがわかった」と収穫のマウンドとなった。

中学まで当時の監督の指導もありクイックで投げていたフォームを、高校入学直後から足を上げるスタイルに変えた。当初はフォーム固めに苦労したが、新チームの練習試合で登板を重ね手応えを感じている。秋場監督は「走者を出しながらしっかり粘って点をやらなかった。よく投げてくれた」と、この日の投球を評価した。

代表決定戦は春夏連続甲子園出場の北海と対戦する。公式戦では07年夏の勝利を最後に、4連敗を喫している。中倉は「しっかり抑えられるように頑張りたい」と力を込めた。【山崎純一】