日本文理(新潟2位)は田中晴也投手(2年)の好救援で高岡商(富山2位)に4-2で勝った。4-2の6回から2番手で登板したエースは自己最速の148キロの直球を投げ込むなど、4回で7奪三振で試合を締めた。

    ◇    ◇    ◇  

185センチの全身に余分な力は入っていなかった。自然体のフォームで田中が投げた6回2死の直球は自己最速を更新する148キロをマークした。9回1死一塁のマウンドではベルトが外れるアクシデント。それでも集中は乱れない。2死は147キロの直球で空振り三振に仕留めた。「何とか自分の力でチームを勝たせたいと思っていた」。味方の2失点には、一塁手としての自身の失策が絡んでいただけに投げるボールに勝利への気持ちを乗せた。

4-2の6回から2番手で登板し、4イニングで7奪三振。毎回の安打を打たれたものの散発4安打に抑えた。「北信越レベルでもいい投球ができるように調整と準備はしてきた」。7日の県大会決勝から中8日。最初の数日はノースロー調整で投球練習も30~40球にとどめた。右の肩と肘はリフレッシュされ、スタミナの充電を済ませた。「ストライク先行で守備にいい影響を与える投球を心掛けている」。無四死球の制球力も戻っていた。

鈴木崇監督(41)は「打たれる気配がない。『田中だから大丈夫』という空気がある」とエースの投球を評したが、3番打者としても相手には怖い存在だ。3回1死には「詰まった当たり」の打球が右翼フェンス直撃の三塁打。9回2死一塁では申告敬遠で一塁に歩いた。今日17日は石川の県王者の星稜とぶつかる。田中は「自分たちから攻める野球をしたい」と強豪校に投打で襲いかかる。【涌井幹雄】