履正社(大阪)が京都国際に完封負けし、来年3月のセンバツ出場が厳しい情勢になった。好投手左腕の森下瑠大投手(2年)を攻略できずに苦戦。先発の今仲巧投手(1年)は3回、適時打2本を許して先制の2点を失った。6回も2番手の福田幸之介投手(1年)が森下に中前適時打を浴びて完全に劣勢になった。

同校は春夏通算13度の甲子園出場を誇り、19年夏は優勝した。87年から同校を率いる岡田龍生監督(60)にとっては今大会が花道だった。本年度限りで退任する予定で、来年4月から母校・東洋大姫路(兵庫)の監督として招へいされる。打つ手がないまま敗れ、主将の小西柚生外野手(2年)は涙を流した。

「履正社の歴史をつくってこられた。一緒に野球をしたいと思って 何とか春まで戦いたいと思いました」

小西主将は試合前、選手ミーティングでナインに伝えた。「今日勝たないと最後なので、絶対に勝って、岡田先生とまだ野球をしよう」。だが、森下を最後まで攻略できなかった。岡田監督も「完全に途中は遊ばれている感じだった。もうちょっと点を取れないと。2年生は甲子園を知らない。何とか甲子園にと思いました。(在任期間中は)35年間がある。終わったところなので。もう1回、また時間がたったら、そういう(退任の)気持ちも起こるかな」と話した。今後、同校では指導の第一線から退く方向だという。攻撃的な野球で全国の高校野球ファンを魅了した岡田野球が一区切りを迎えた。

◆岡田龍生(おかだ・たつお)1961年(昭36)5月18日、大阪府生まれ。東洋大姫路では正三塁手だった79年センバツで4強。日体大、社会人の鷺宮製作所でプレー。85年から桜宮(大阪)でコーチを2年務め、87年から履正社監督。97年夏に甲子園初出場。19年は夏の甲子園優勝。甲子園は春9度、夏4度で通算22勝11敗。主な教え子にオリックスT-岡田、ヤクルト山田哲、阪神坂本ら。保健体育教諭。