八戸工大一(青森2位)は、大館桂桜(秋田2位)に5-2で勝利。エース右腕・広野風雅(2年)が9回2失点の完投勝ちで06年以来の4強入りに貢献した。

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成長著しいエースが3者連続三振で試合を締めくくった。「自分が投げ切りたいという思いがありました」。県大会では3試合を1人で投げきり、20日の酒田南戦では102球を投げ7回0封。この試合は151球。連戦に疲労を隠せなかったが、打線の援護に助けられた。広野は「楽に投げられました。(最後は)1番いい感じの3アウトだったので、とても満足しています」と表情をほころばせた。最速141キロの直球とスライダーの投げ分けがうまくはまり、この日は9個の三振も奪った。

準決勝の相手は東北大会21安打19得点と打線が好調の花巻東(岩手1位)だ。これまであまり強力打線との試合経験がない広野は、「強豪校なのでしっかり抑えられるように頑張りたいです。初回から全力で臨みたい、楽しみです」と心待ちにしている。

長谷川菊雄監督(45)は、「県大会、初戦に続いて本当に粘り強く投げてくれている、彼のおかげです」と広野の好投をたたえた。新チームが始動した7月26日からセンバツ出場を目標に掲げたどり着いた準決勝。着々と近づくセンバツへ長谷川監督は、「ここからが本当の戦いだと思いますので、もう1回自分たちのできることをしっかり準備して明日に備えたいと思います」と語り、勝ってかぶとの緒を締めた。【濱本神威】

▽大館桂桜・福田春輝投手(2年)「自分の甘い部分をつぶして、どのチームにも負けないピッチャーになって、甲子園に行きたいです」。