浦和学院が、向上に打ち勝ち初戦を突破した。

6番・高山維月(いつき)捕手(2年)が、今年のチームスローガン「超攻撃野球」を実践した。

2回無死一塁からインコースの真っすぐをフルスイング。右越えの三塁打で先制点を挙げた。1点差に迫られて迎えた8回には、1死から真ん中高めの真っすぐを振り切り左越えのソロアーチ。粘る向上を振り切る1発となった。「今まで引っ張った打球ばかりで、逆方向に打ったことがなかった。初めての打球。よく飛んでくれました」とニッコリ笑った。

恩返しの思いを込めた。1週間前から「上位打線を打ちたい」と、朝5時から1時間、打ち込みに取り組んだ。その朝練習で、トスを上げてくれたのが、今大会メンバーを外れた綿引健将投手(2年)だった。2安打2打点の高山は「綿引のおかげです」と感謝。森大監督(30)は「(高山は)大会前から当たっていた。今日は気持ちよく打っていましたね」と評した。

チームは9安打で7得点。今年は春の関東大会から打撃戦で競り負ける試合が多かった。新チームとなってから「超攻撃型」をスローガンに掲げた。森監督は「今年の選手たちは打力がある。勢いに乗って思い切りやろうというのがテーマです」と話す。ベンチでも「失敗してもいい。大丈夫だ。打って返していこう」と、追い上げられても落ち着いて攻撃に徹し流れを引き寄せた。「選手たちはよく粘ってくれました。春、夏と打ち負けていた。こういう試合を勝てたのは浦和学院としては大きい」と話した。

“新生浦和学院”の野球で初戦を突破。この勢いに乗っていく。