18年ぶりの優勝を目指した二松学舎大付は、悲願まであと1死で逆転サヨナラ負けを喫した。先発の布施東海投手(2年)は力投をみせたが、最後に試練が待っていた。

130キロ台の直球に、90キロ台のカーブ。約40キロ差の緩急を駆使した。準決勝で日大三相手に14得点を奪った打線を、8回まで1失点に封じ込んだ。しかし9回、2死満塁のピンチを招くと、4番の成田陸内野手(2年)に甘く入った初球のカーブを右越えへ運ばれ、走者を一掃された。

あと1死でセンバツ当確を逃した左腕は「悔しいです…」と、言葉をしぼり出すのに精いっぱいだった。サヨナラの場面は「外にきっちりと決めようとした球が、真ん中に入ってしまいました。自分の精神的な甘さ、未熟さが出ました」と反省しきりだった。

市原勝人監督(56)は「粘り強く投げてくれましたが、最後に負けてしまった。悔しさを忘れないで欲しい。もう1本、狙ったところに投げてくれれば。要所要所は抑えましたが、途中、緊張感がなくなったような、打たれないだろうという投球になっていた。最後は、相手も集中力が高まる。ギアを入れないといけない」と、期待を込めてエースの奮起を促した。