イチロー先生が、今度は千葉にやってきた。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が3日、千葉明徳を訪れた。

昨年の智弁和歌山、11月29、30日の国学院久我山(東京)に続き3校目。

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<イチロー氏の過去2回の高校野球指導>

◆智弁和歌山 昨年12月に3日間の日程で行った。初日は「観察」、2日目から徐々に指導を開始し、最終日には実際にフリー打撃も披露した。「盗塁はスタートで決まります」と走塁技術を伝えたほか、「筋肉が緊張するとパフォーマンスが下がるのでそれを避けたい。打撃でもリリースポイントだけを見ると緊張する。全体を見ようとすること」とアドバイスを送った。最後はオフのメニューを自分たちで決めさせ、「ちゃんとやってよ」と一言。今夏の甲子園前にも「ちゃんと見てるよ」とメッセージを届け、チームは21年ぶりの頂点に立った。

指導を受けた選手の中には、当時3年生だった広島小林、日本ハム細川がいる。小林は11月に先発で1軍デビュー(勝敗つかず)。細川も10月8日のデビュー戦で初安打を放つなど9試合に出場し、プロのキャリアをスタートさせた。

 

◆国学院久我山 イチロー氏が昨年、当時2年生だった田村優樹外野手と知り合いになり、コロナ禍で思うような練習ができない状況を知った。その後、当時の2年生部員全員から手紙が届いた。

「野球がうまくなりたいです。強くなりたいです。そのために来てほしいです」

田村外野手たちの代は今夏で現役を引退。だが、後輩たちのためにも一緒にプレーする機会を設けて欲しいという思いにイチロー氏が応えた。「東京大会で優勝したから、来たわけではないので。みんなの結果はフォローして、夏の結果も見ていました。すごい気持ちの伝わる手紙でした。(自宅で)大切なものが入っている引き出しに大切に保管しています。これを見るだけで文武両道が分かります。文武両道に僕はすごく憧れていました。高校は完全に野球一本を選んだので。一緒に練習しましょう。そんなスタンスです」。

練習では72スイングのフリー打撃を披露。さく越えも11本放った。部員たちからは「打球速い」「えぐい」と声が上がった。走り方について質問を受けると「まず真っすぐ走る。かかとを着く、つま先を着くのは次の段階。後ろに(大きく)振ると、1歩が長くなる。肩甲骨が動きだすと、1歩が大きくなる」などとアドバイス。リードの取り方など走塁技術も惜しみなく指導した。

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◆千葉明徳 1925年千葉淑徳高等女学校として創立した私立校。47年に現校名に変更。74年から男女共学となる。野球部は今夏の千葉県大会で3年連続で8強入り。準々決勝では甲子園に出場した専大松戸に延長11回1-2で惜敗した。15年には秋季千葉県大会で準優勝し、関東大会に出場。今秋の千葉県大会は1回戦で敗退した。主なOBはオリックスK-鈴木(鈴木康平)。所在地は千葉市中央区南生実町1412。

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