イチロー先生が、今度は千葉にやってきた。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が3日、千葉明徳を訪れた。2日から2日間の指導を行い、この日は走塁練習から始まった。

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一、二塁間には2本の白い線が引かれた。イチロー氏は同校の部員に「(このラインの中に収まる)動きをイメージできるようにやってみて」と、声をかけて二盗の練習からスタート。まずは、けん制された際の帰塁方法をイチロー氏が実演した。「左ピッチャーの時はいったん(重心を)下げると、出されづらくなる。左ピッチャーが足を上げた時にいったん下がると、見やすくなる。そのまま(重心を上げたまま)見ようとすると(二塁に)行きたくなる。けん制がないだろうと動いてしまう」と説明した。

スタートの切り方についても、2本の白い線を利用しながら指導した。「1歩目の切り方。リードしている時(両足の置き方が)スクエアだと(1歩目の左足が)こっち(投手寄り)に行く。右足を少し下げて、ややオープンに構えて1歩目をここ(ライン内)に持ってくる」。

両足を平行にそろえてリードを取ると、スタートを切る時の左足の1歩目が、2本ある白いラインの内側(投手側)を超えて入ってしまうため、最短距離で二塁へ向かうことができない。真っすぐラインの中を通って二塁へ走るには右足を少し下げてリードの形を取ってスタートを切ることが大事だと説いた。

次に一塁から三塁への走り方をイチロー氏が実演指導。「ライト前ヒットで一塁から三塁に。ここ(一塁ベースでスタートを切った時に)で直線に行くと、あっち(二塁ベースを回る時)で膨らんでしまう」と再び2本の白い線を利用しながら説明。二塁ベースを回る直前ではなく、一塁でスタートを切った時から回りやすいように膨らんでいく走塁を指導した。

また、走塁指導中には守備で構える時の姿勢にもアドバイスを送った。ジャンプする選手がいることに触れて「(目線は)ブレたくない。なるべく地面をつかんでおく。目が動くのは、野球で言えば、どうしても難しくしてしまう。なるべく(目線を)キープして。プレーが楽になる」と説明した。

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◆千葉明徳 1925年千葉淑徳高等女学校として創立した私立校。47年に現校名に変更。74年から男女共学となる。野球部は今夏の千葉県大会で3年連続で8強入り。準々決勝では甲子園に出場した専大松戸に延長11回1-2で惜敗した。15年には秋季千葉県大会で準優勝し、関東大会に出場。今秋の千葉県大会は1回戦で敗退した。主なOBはオリックスK-鈴木(鈴木康平)。所在地は千葉市中央区南生実町1412。

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