プロも注目したみちのく屈指のイケメンスラッガーが「戦国東都」で研さんを積む。

聖光学院(福島)の坂本寅泰外野手(3年)が東都大学リーグの東洋大に進学する。昨夏の福島大会では不動の3番打者でもあり、主将としてチームをけん引。惜しくも準々決勝で光南に1-5で敗れ、甲子園の晴れ舞台に立つことはできなかった。悔しさも糧に、大学でさらなるスケールアップを目指し、4年後の目標に大卒「ドラ1」と大きく掲げた。

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東洋大への進学が決まり、坂本の目はやる気に満ちていた。「周りのメンバーも力があると聞いた。自分もその中で意識高くやって、1年春からレギュラーを目指したい」。現在東洋大は東都2部も、通算20度のリーグ優勝を誇る名門中の名門。さらに聖光学院から同大へと進み、プロで活躍するロッテ佐藤都志也捕手(23)は刺激になる存在だ。坂本は「聖光学院出身で、中学校の先輩でもある。身近な先輩が(プロの世界で)活躍されているのを見ると、自分もそうなりたいと強く思います」と背中を追う。

忘れられない敗戦が東北屈指のスラッガーを、また強くさせるきっかけとなる。昨夏の福島大会準々決勝で光南に1-5で敗れた。一昨年の県独自大会を含め、夏の福島県大会連勝記録は「87」でストップ。坂本はこう振り返る。「言葉に表せない悔しさ。あの負けは、自分の中で絶対に消えないと思う。悔いがないと言えば、うそになります。一生、背負い続けていく」。だからこそ、この経験を糧にする。新たなステージにかける思いは人一倍だ。「負けを無駄にしないようにやっていく。負けた分も…。神宮で優勝したい」と言葉に力を宿した。

体つきが一回りもたくましくなった。昨夏以降から食事管理を徹底させ、自重の筋力トレーニングで肉体改造に取り組んだ。体重は7キロ増の79キロ。木製バットでも打球の速さや、飛距離が伸びたという。「PFC(たんぱく質、脂質、炭水化物)が偏らないように。自分で調べたりして、カロリーの計算もしています」。

4年後の目標には「ドラフト1位でプロに行って、両親へ恩返しがしたい」と力強く宣言。そのためにも、「戦国東都」で一旗揚げる。【佐藤究】

◆坂本寅泰(さかもと・ともやす)2003年(平15)5月26日生まれ、福島・いわき市出身。小3から中山スポーツ少年団で野球を始め、平三中時代は軟式野球部に所属。いわき松風クラブでもプレーした。聖光学院では1年秋からベンチ入り。高校通算47本塁打。183センチ、79キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄。好きなプロ野球選手はエンゼルス大谷翔平。