第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場32校(一般選考枠29校、21世紀枠3校)を決定する選考委員会が今日28日、開催される。

187センチ右腕が聖地のマウンドを夢見た。21世紀枠の東北地区推薦校に選出された只見(福島)は27日、同校で約2時間調整し「運命の1日」に備えた。同校には出場校発表日を知らせるデイカウンター板があと1日を示し、大竹優真投手(2年)は「とうとう明日という心境。良い緊張感で迎えられる気がします」と晴れやかな表情を見せた。

昨秋は創部45年目で初の県8強。豪雪地帯にある同校は11月から約4カ月は雪でグラウンドが使用できず、限られた環境での快挙などが評価された。昨年12月の同推薦校発表は「決まった瞬間は正直信じられなくて、うれしかったです」。だが、チームに緩みは生まれなかった。吉津塁主将(2年)は「最終選考までは1カ月以上先。甲子園に向けてやる気も雰囲気も良い方向に持っていけたら」と部員15人(マネジャー2人)の心をまとめ、向上心を持って練習してきた。

成長した姿を春の舞台で見せる。大竹は入学から食生活の意識も変わり、入学当初は64キロだった体重が現在76キロ。「1食の量も変わって今は6食を食べています」。目標に掲げる球速アップへ、週2回のバイクトレーニングやスクワット、晴れた日は雪上を走って下半身を強化してきた。待ちわびた発表の日。「最後まで信じて待ちたいです」と願いながら、支えてくれた仲間と吉報を待つ。【相沢孔志】