名将も絶句の「逆転サプライズ」選出だ。東海4強の大垣日大が準優勝の聖隷クリストファーとの一騎打ちを制した。甲子園通算32度出場で歴代8位の38勝を重ねるベテラン阪口慶三監督(77)が驚いた。

「もう100%ないものと思っておったからね。電話入ったとき『ウソーッ』と言ったくらいです。こんなセンバツの決まりようは、今までないこと。うれしくてうれしくて」

東邦(愛知)で89年センバツを優勝した百戦錬磨の指揮官が声を上ずらせるのも無理はない。発表時、意表を突かれた学校側は会見の準備すらしておらず、報道陣は0人。東海地区の大方の見方は静岡2校の選出だった。総合力が評価されて、かつての鬼は「今回は準決勝で負けている。何にしても夢です」と興奮を隠せない。「うちの投手陣の2枚看板が認められたんじゃないか」。左腕の五島幹士(2年)と右腕の山田渓太(1年)を中心に戦う。東海大会で静岡、享栄(愛知)を破った攻撃力で全国に進む。

77歳10カ月での甲子園出場で09年夏の常総学院(茨城)木内幸男監督の78歳に匹敵する高齢采配だ。「私は毎日が真剣勝負、全力投球」。孫の高橋慎内野手(1年)にメンバー入りの期待も「取材が多くて声が出ない…」と話す。うれしい悲鳴を勝ちどきに変える。

 

▽中日橋本(大垣日大OB)「最近、春の甲子園になかなか出られていなかったので、今の後輩たちの頑張りで出場できたことをうれしく思います。優勝目指して頑張ってください」

▽中日滝野(大垣日大OB)「春の甲子園出場は久しぶりだと思うので、阪口先生を勝利監督にできるように、選手には頑張ってもらいたいです」