春3度の優勝を誇る広陵(広島)は今大会屈指の好カードで敗れた。

1回戦の敦賀気比(福井)戦で17安打9得点を挙げた強力打線は影を潜めた。初回1死二塁で中川将心(まさむね)内野手(3年)が三盗を仕掛け、捕手の悪送球を誘い1点を先制する。しかし、九州国際大付の左腕、香西一希投手(3年)の前に打線は7安打を放ったが、11三振を喫し、初回の1点のみで終わった。中井哲之監督(59)は「このチームがこんなに三振するのは初めて。外の出し入れがうまい投手をここまで打てないのかと。私も選手もショックが大きい」と悔しさをにじませた。

【ニッカン式スコア】九州国際大付-広陵の詳細速報

1回戦で3人とも3安打を放った強力クリーンアップが、3人でわずか2安打。プロ注目の内海優太外野手(3年)は「低めの変化球への対策はしてきたつもりだったが、どこか中途半端になってしまった」と振り返り、“広陵のボンズ”こと、4番の真鍋慧(けいた)内野手(2年)は「外角の出し入れに対応できなかった」と唇をかんだ。

昨秋の明治神宮大会決勝で敗れた大阪桐蔭へのリベンジ、そして「春の広陵復活」を目指した戦いは終わった。しかし、内海、真鍋を擁する強力打線と森山陽一朗、松林幸紀(ともに3年)が2枚看板の投手陣ともに、全国屈指のポテンシャルを秘めている。夏は悲願の初優勝へ。「広陵のタレント軍団」はこの春味わった悔しさを、夏の聖地で晴らすつもりだ。【山崎健太】

▽広陵・川瀬主将(2回戦敗退に)「全員があきらめていなかったが、チャンスをものにできなかったのが敗因。必ずまた甲子園へ戻ってきたい」

▽広陵・森山(7回10安打2失点と粘投)「今大会は制球に苦しんだ。成長して夏も必ず甲子園に戻って日本一になりたい」