昨秋の関東王者で、センバツ出場の明秀学園日立が、エース・猪俣駿太投手(3年)の5安打12奪三振2失点の完投で東洋大牛久に勝利した。

初回、立ち上がりを攻められ2失点。「相手を見て投げることができていなかった」と配球を反省。試合の流れと相手の考えを読み取り投球に生かし、3回からはわずか2安打無失点に抑え、流れを引き寄せた。

センバツの1球を忘れないー。2回戦の市和歌山戦では、大会屈指の好投手・米田天翼投手(3年)と投手戦を展開しながら、フォークを痛打されサヨナラ負け。大会後、何度も動画を見直した。「打者の前の打席や、前の打者の入り方を見たら、フォークではなくて、真っすぐで勝負してもよかったかな、と思うんです」。勝負どころで逃げの配球が、勝利を遠ざけた。

勝負できる真っすぐを磨いた。得意の変化球でカウントをとり、真っすぐで勝負。この日、三振のほとんどが真っすぐ。「どうやって振らせていくか。もっと考えていかなければと思います」と、夏までに今以上の投球術を磨いていくつもりだ。

金沢成奉監督(55)は、「猪俣は、センバツの負けを糧にしている。最後のあの1球をかみしめながら成長しています」とたたえた。その一方、打撃面については、軟投派の投手に5安打と苦戦した。金沢監督は「攻撃面での収穫は全くない。ダメだということに気付かされたのが収穫です」と厳しい評価。エースの成長とともに、強打・明秀学園日立の復調へ。県大会、1戦必勝で戦っていく。