春夏甲子園5度出場の創志学園(岡山)は長沢宏行監督(69)が今夏限りで退任し、東海大相模(神奈川)前監督の門馬敬治氏(52)を新監督として招へいする方針を固めていることが28日、分かった。複数の球界関係者が認めた。門馬氏は21年センバツで優勝に導き、同年夏で退任していた。

ベテラン監督が指導者人生の一区切りを迎える。長沢監督は神村学園(鹿児島)を率いた05年センバツで甲子園初出場すると、いきなり準優勝。96年アトランタ五輪で女子ソフトボール日本代表ヘッドコーチを務めた異色の指導者として手腕を発揮した。10年に創部された創志学園でも春夏5度甲子園へ。楽天高田萌生や阪神西純矢らを育てた。すでに保護者は夏の公式戦終了後の退任を伝えられた。

新監督として迎えられる門馬氏は強豪の東海大相模を率いた名将として名をはせた。甲子園に通算12度出場し、春夏4回優勝。甲子園通算30勝で巨人菅野智之らプロ野球選手を多く輩出してきた。関東の高校球界をリードしてきたが、数年来、体調の不安があったため、昨夏限りで退任していた。体調も回復し、今後の折衝がまとまれば、就任に支障はないとみられる。

創志学園は実力校がひしめく岡山屈指の強豪校だ。18年夏以来、4年ぶりの甲子園を狙う。4月24日には春季岡山大会2回戦で金光学園に12-3で7回コールド勝ち。投打の歯車がかみ合い、県8強に進出している。百戦錬磨の長沢監督は最後の夏で全国の頂点を目指し、バトンを門馬氏へ。高校野球の勢力図が大きく変動しそうだ。