昨夏の甲子園大会準優勝の智弁学園が今春の公式戦に初登場し、藤本竣介投手(3年)が自身初の公式戦完封勝利を挙げた。

昨秋の近畿大会県予選の準決勝で、7-6の1点差勝利と苦戦した相手を3安打無四球完封。5回1死まで無安打投球を続け「ツーシームを冬から磨いていて、カウント球にも決め球にも使えました。低めに集められたのがよかった。これまでは困ったときにはスライダーとカーブで行っていましたが、ツーシームを覚えて投球の幅が広がりました」と振り返った。一方で「無四球という結果はよかったんですが、カウントが悪くなったときがあったので、もうちょっと早く追い込んで有利なカウントで勝負できればよかった」と課題にも触れた。

昨夏の甲子園大会に2年生でメンバー入りし、1回戦・倉敷商(岡山)戦で9回に2番手で登板も、打者3人に3安打を浴びて1死も取れずに降板。緊張で本来の投球ができず、先輩の小畠一心(当時3年)の救援を仰ぐ結果になった。高校最後の夏に向けては「もう1度やり返したい。今年は。チームとしては、昨年の3年生が残した記録を、自分たちは超えられるように。個人としては昨年の悔しさをはらせるように最後までやりきるだけです」とリベンジを誓う。

現在の背番号は18。小坂将商監督(44)も「日本一に届かなかった悔しさを知っている藤本には、エースを目指していってもらいたい。今日はよく投げました」と、夏に向けての成長を強く望んだ。