市船橋が28年ぶり2回目の優勝を決めた。

投手戦の均衡を破ったのは6回。2死一、二塁から7番谷藤汰樹内野手(3年)が、外角の直球をとらえると、右中間を真っ二つに割る適時三塁打になり、2点を先制。さらに8回にも、1死一、三塁から再び谷藤の中犠飛で貴重な1点を加えた。谷藤は「覚悟を決めて、強く振った。チャレンジャーとして向かっていった。うれしいです」と声を弾ませた。

投げては2回途中からリリーフした左腕・森本哲星投手(3年)が最速139キロながら、直球とスライダーで緩急を交え、タイミングを外した。前夜、片野優羽根捕手(3年)と「インコースの真っすぐをどう使うか」をポイントに挙げ「今日はその球を投げきれた」と、6回2/3を投げ1安打6奪三振。勢いにのる銚子商打線を封じ込めた。

兄弟で甲子園を目指している。中堅手のレギュラー、森本哲太外野手(3年)は双子の兄。鳥取出身で「野球の強い学校で野球がしたい」と、東京出身の母とともに千葉県に引っ越し。兄弟そろって市船橋に入学し、練習に励んできた。

この冬は、食事とトレーニングで体重は8キロアップの73キロに。変化球のキレ、球速が上がり、県内屈指の左腕に成長。プロ野球を目指すまでに成長した。森本は「この関東大会はアピールができるチャンスだと思う。完封ができるように頑張ります」と力を込めた。

銚子商は先発の関根大翔投手(3年)が4回まで2安打と好投したが、市船橋の投手陣の前に、得点できず。15年ぶり14回目の優勝はならなかった。

市船橋、銚子商は5月21~29日、栃木県で開催される春季関東大会に出場する。

▽銚子商・沢田洋一監督「選手たちは、多くの観客の前で優勝しよう、と臨んでくれた。課題の多い試合でしたが成長も見られた。本当の力にちょっと近づいてきたかと思います」