西部地区の2校が、四半世紀閉ざされてきた壁を破った! 浜松開誠館は今春センバツ出場の推薦校・日大三島に4-3で逆転勝ちし、創部25年目で初の4強入りを果たした。掛川東は浜松工との打ち合いを制し、10-8で勝利。創部26年目で初めてベスト4に名を連ねた。静岡高、静清も進出を決めた準決勝は、7日に草薙球場で行われる。

浜松開誠館がまた新たな歴史を刻んだ。元報徳学園高の名将が指揮する強豪校から、長打6本を含む13安打。2回までの0-3劣勢から、試合をひっくり返した。1日の3回戦では島田商を退け、夏の県大会シード権を初めて獲得。この日は春4強を初めて決めた。

チーム最多の4安打を重ね、6回に決勝適時打を放った広崎蓮外野手(3年)は「打った球は外角直球。逆方向を意識して狙っていきました。うれしいです」と喜んだ。3人の継投も実った。6回からエース山口祥吾(3年)が3番手で登板。終盤の4回を2安打無失点に抑えた。「疲れもなく、気合が入った。今日はスライダーが良かった」と満足げだった。

佐野心監督(55)は、今春センバツ出場校を退けても、反省の弁を続けた。「安打は出たが、打線につながりがなく、バント失敗もあった」。4得点で終わったことに、課題を見いだしていた。「収穫は全員で声を出し合い、相手に向かう姿勢があったこと。あと2試合、選手とともに頑張りたい」。県連盟主催の2020年夏季県大会では、チーム初の準優勝。約2年ぶりの県大会決勝進出に向け、視界は良好だ。【山口昌久】