花巻東が花巻北を16-0で圧倒し、5回コールドで地区優勝を決めた。U18ワールドカップ(W杯)の高校日本代表第1次候補で、高校通算22本塁打の1番宮沢圭汰内野手(3年)が、2安打1打点3得点2四球とチームをけん引した。同64本塁打の佐々木麟太郎内野手(2年)は先制打を含む1安打1打点。県大会は13日の組み合わせ抽選会を経て、20日に二戸市などで開幕する。

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宮沢がリードオフマンの役割を存分に果たした。初回先頭で左打席に立つと、カウント1-2から狙い通りに流し打ち。左越え二塁打でチャンスメークし、続く渡辺陸外野手(3年)の犠打で三進。3番佐々木麟が一塁手強襲の右前適時打を放ち、先制のホームを踏んだ。2回は四球、3回は右翼フェンス直撃の二塁打、4回は押し出し四球。3得点をマークして大勝を呼び込んだ。

「第1代表を取るのは当然ですし、ミスが多く出たので、県大会に向けてしっかり練習していきたい」

3月のセンバツでも不動の1番として出場した。初戦の市和歌山戦では1安打1打点2四球と奮闘も、チームは4-5で惜敗。「あれだけの観客が入った中で試合するのは初めてで、球場の雰囲気にも圧倒され、緊張もすごくしました。結果はああいう形で負けて、悔しさが残るが、夏に向けて糧にできる試合だった」と振り返る。

今春は守備力強化に取り組む。遊撃守備で以前は浅めだったポジショニングを深めに取るようになった。もちろん、ヒットゾーンを狭くする狙いもあるが、足を動かすことをより意識するために変えたという。170センチと小柄だが、パワフルな打撃が魅力で「出塁だけでなく、打つ方もしっかり力を入れて、嫌なバッターになっていきたい」。佐々木洋監督(46)は「あの体ですが、パンチ力がある。3拍子そろい、甲子園の時から非常にいい守備をしていて、最近はもう1ランク守備が良くなってきた」と成長を感じている。

田代旭捕手(3年)とともに高校日本代表候補に選出され、世代トップの内野手7人に名を連ねた。「正直びっくりした気持ちはあります。まだまだそういうレベルではないので、チームのことを優先しながらやっていきたい」。強打の1番として県大会でも大暴れする。【山田愛斗】