4大会連続優勝を狙う花巻東が、一関学院との強豪対決に3-2で競り勝ち、8強入りを決めた。

小中高とブルージェイズ菊池雄星投手(30)の直系の後輩にあたる、渡辺陸外野手(3年)が先制の2点適時二塁打を放ち、勝利に貢献。投げては先発の万谷大輝投手(3年)が6回2失点と好投した。注目スラッガー、佐々木麟太郎内野手(2年)は4打数無安打1四球だった。24日の準々決勝は盛岡四と対戦する。

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渡辺が試合を動かした。0-0の4回2死一、二塁。1ストライクから内角直球を右翼フェンス手前まで運んだ。「単打を打つ意識」で先制の2点適時二塁打。「みんながつないで、自分に打たせてくれた形だったので、みんなに感謝したい」。佐々木洋監督(46)は一関学院の先発投手を左腕で想定していたという。しかし、予想に反してアンダースロー右腕が登板。攻略に苦しんだ。「厳しい試合になると分かっていたので、粘り勝てて良かった」。渡辺が突破口を開いた。

高校通算18本塁打を誇りながら2番打者として出塁にこだわっている。俊足好打が売りの1番宮沢圭汰内野手(3年)、長距離砲の3番佐々木麟に挟まれる打順。「自分が活躍するというよりもチームが勝つのが大事なので、それを完璧にこなしていきたい」。あくまでもつなぎ役に徹する。

見前小、見前中、花巻東とブルージェイズ菊池と全く同じ道を歩んできた。「小学生の頃から雄星さんに憧れていたので、もっと頑張らないといけない」。偉大な先輩の活躍をパワーに変え、野球に打ち込んできた。昨秋から名門の主力に定着。今春は菊池も出場したセンバツの舞台に立った。

5回まで得点圏に毎回走者を進めたが、5安打12残塁と、あと1本が出ず、試合を難しくした。佐々木監督は「とにかく負けないことが大事。1点差でも何でも勝って、とにかく負けずに決勝まで上がって(夏の)シードを取りたい」。4大会連続優勝に向けて、まずは1勝をつかんだ。【山田愛斗】