佐野日大(栃木)が12日、同校グラウンドで、東農大三(埼玉)と練習試合を行い、雨天のため6回裏途中までで9-0だった。

夏に向けて、エース上杉隼大投手(3年)が6回4安打無失点と順調な仕上がりを見せた。1回、先頭打者に左前安打を打たれるも後続を凡打、併殺にした。さらに5回は2死二、三塁のピンチにも動じずニゴロに打ち取った。「自分が立ち上がりが悪いことは自覚しているので、打たれてから落ち着いていこうという気持ちで投げられた」と冷静に振り返った。

同校ではウエートトレーニングの一環として標高約350メートルの山登りを取り入れており、冬休みは毎日2時間みっちり走り込む。上杉はこの過酷なトレイルランニングによって球速が132キロから138キロにまでアップ。「数字に表れてきて、よりやる気が出てきた」。初めて背番号1をつけた今年の春季関東大会では甲子園常連の強豪校・前橋育英相手に5回3安打1失点と好投を見せた。

昨年は決勝で作新学院に敗れ、10連覇を阻止できなかった。夏の大会に向けて「あとは調子を上げていくだけ。最大限の力を発揮できるようにしたい」と力を込めた。10年以来12年ぶりの王座奪還を狙う。