8日、山形の夏が開幕した。46校43チームが参加。有観客で、3年ぶりに開会式が行われた。創学館と山形工の開幕戦は、創学館が5-0と完勝。エース右腕・山川颯太(3年)が山形工打線を散発4安打9三振に抑え、完封勝利を収めた。

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3者連続三振で幕を開けた。山川は「初回は『ストライクを入れよう』という気持ちで投げたらコースも良く、空振りを取れました。そこから緊張がほぐれたのでよかったです」。

開幕試合に加え、久々の全校応援に緊張していたが、連続三振で波に乗ると、3回までに6奪三振。直球とスライダーを軸に、相手打線を手玉に取った。7回には初めて得点圏に走者を背負い、無死一、二塁としたが、3人をたったの6球で仕留める落ち着きも見せた。「キャッチャーの(保科)一心(3年)の配球のおかげ。(野手陣も)頼もしかったし、ピンチの場面でも打たせれば取ってくれるという信頼がありました」。

8回もわずか7球で3者凡退。9回、最後の打者を空振り三振に仕留め、雄たけびを上げた。試合後は「みんなに助けられて、楽しく投げられました。100点満点です」と満面の笑みを見せた。

試合中もチーム内には明るい言葉が飛び交った。チームは練習前に「ポジティブタイム」と呼ばれる、選手の長所を伝え合う時間を設けている。「ピンチの場面でもベンチから明るい言葉が聞こえます」と山川。ポジティブ思考が、チームに勝利をもたらした。山川は最後の夏を「笑顔で終わる夏にしたい」と意気込んだ。笑顔で始めた夏を、今日以上の笑顔で締めくくる。【濱本神威】