四街道が千葉東を7回コールドで下し、開幕戦を勝利で飾った。

エースの鶴岡汰一投手(3年)が投打でけん引した。4回2死二塁から、直球を二遊間にはじき返し先制打。2-0で迎えた6回には2死二塁から中越え適時二塁打で3点目をたたき出し、2安打2打点と結果を残した。

投げては、先発のマウンドに立ち「初めてのマリンスタジアム。いつもと違って興奮しました」と、立ち上がりはリズムをつかめず。3回には死球で出した走者を、2つのけん制悪送球で三塁まで進めてしまったが、マウンドに集まった内野陣に「何やってんだよ」と笑顔で背中をたたかれ「緊張がほぐれた」とニッコリ。最速135キロの真っすぐとカーブ、スライダーで5回2/3を投げ2安打7奪三振。時折、マウンドで雄たけびを上げるなど、持ち前の強気な投球で勝利に導いた。

チームの「部訓10カ条」が鶴岡をたくましく成長させた。四街道は10年ほど前から引き継がれている「部訓」を練習前に全員で声を合わせ復唱する。この10カ条の中で、鶴岡が「1番影響を受けた」とするのが、9つ目。「困難を乗り切る忍耐力、志を全うする強い信念をもった人間であれ」だ。「僕にとっては、どんな時もエースとして強い気持ちでマウンドに立つことが、困難を乗り越える力になりました」。

昨秋は2回戦で専大松戸を破ったが3回戦で拓大紅陵に敗戦。春は2回戦敗退。「もっと上を目指すために」と、足を上げる高さを抑え、左手で壁を作るフォームに改造。球速や回転数、回転軸、縦横の変化量などを数値として見ることができるラプソードで1球1球確認。真っすぐの握りを親指を弾くイメージに変え、回転数は2100と高い数値を記録した。「今、ここを乗り越えると、強くなれる」そう信じて過ごした日々が、鶴岡を大きく成長させた。

「自分がやるべきことをやれば勝てるとわかった。次も自分たちの持ち味を出していきたい」。鶴岡はエースとして、強気でチームを勝利に導く。【保坂淑子】