18年夏の甲子園で吉田輝星投手(現日本ハム)を擁し、準優勝に輝いた金足農が第2シードで昨夏王者のノースアジア大明桜の前に力尽きた。

初回1死二、三塁から暴投で先制点を献上。3回は1死から二塁打で出塁を許すと、またもや暴投で走者を三塁に。続く1番打者に適時打を浴び、1点を追加された。4回には失策が絡んで2失点。先発のエース半田嘉那斗(かなと)投手(3年)は4回で降板した。「立ち上がりが悪かった。(明桜戦が)1つのヤマ場だと位置づけていたので、絶対に勝ちたかった」。5回から2番手でマウンドに上がった背番号「9」、相馬健典主将(3年)は5回を8安打2失点と粘りの投球も、勝利には結びつかなかった。

打線は5回までで2安打に封じられた。3回2死二塁の場面で1番高橋佳佑外野手(1年)が左前打を放ち、二走が生還を試みるが、左翼手の好返球でホーム封殺。1点が遠かった。中泉一豊監督は「(走者の)判断は悪くなかったけど、大きなプレーでした」と紙一重のきわどいタイミングだっただけに、悔しさをにじませた。6点ビハインドの最終回には2死一、三塁と土壇場で好機をつくるも、最後は左飛に倒れ、3回戦で姿を消した。

吉田輝に憧れ、同校への入学を決意した半田は「やるべきことはやったので、悔いはないです。カナノウの背番号1を背負って投げてきたので、この経験を次のステップにつなげていきたい」と気持ちを新たにした。

○…ノースアジア大明桜は、13安打6得点で金足農を下し、夏2連覇へ前進した。「1番三塁」で先発出場した吉野鈴之助内野手(2年)が初回の中前打を皮切りに、4安打1打点の大活躍。4本ともすべてが単打と、次打者へとつなぐ意識でコンパクトに捉えた。「割り切って、積極的に振っていくことができた。1番打者がチームに流れを持ってこれるようにやっていきたい」と力を込めた。