過去を乗り越え、輝く未来にする。大崎中央が中新田・岩ケ崎・迫桜の連合チームに10-0で7回コールド勝ち。千葉大輝外野手(3年)が「4番左翼」で出場し、両軍唯一の3安打でコールド発進に導いた。大会前にチームで掲げたスローガンは“大崎リベンジャーズ大作戦”。秋と春に味わった悔しさを胸に、雪辱を果たす大会にする。

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鍛え上げた体で“4番”が勝利を呼び込んだ。2点リードの3回2死二塁。千葉は「思いっきり振ろうと思って、楽な気持ちで打席に入った」。1回は先制のチャンスに三振。「挽回したい」と熱くなる場面だったが、落ち着いていた。2球目の変化球を引っ張り左前適時打。以降の2打席は二塁打でチャンスメークした。同校入学後から「体を強くしたい」と筋力トレーニングに注力。体重は10キロ増え、長打力を発揮した。

打撃不振だった過去を糧に飛躍へと変える。昨秋はコロナ禍で大会に参戦できず、今春は県2回戦で仙台三に負けた。地区予選を含む全6試合は、20打数3安打の打率1割5分と苦しんだ。さらに大会後は腰のケガで「3週間は練習に参加できなかった」。それでも「ティー打撃はできたので平石(朋浩)先生に教えてもらって自分の悪いところを見つめる期間になった」と打撃フォームを修正。指揮官の期待に初戦から応えた。

“○○大作戦”と名付けてきたスローガンは今年で3年目。今大会は人気アニメ「東京リベンジャーズ」をなぞらえ“大崎リベンジャーズ大作戦”で挑む。「勝ち進んでいけば春に負けた(仙台)三高とも対戦できる。三高にリベンジしたいし、三高を倒して勢いに乗りたい」。仙台育英、東北をはじめ、私学も多くひしめく宮城。パワーアップした打撃で白星を積み上げ、同校初の「夏王者」に近づく。【相沢孔志】