<高校野球愛知大会:誉7-6中部大第一>◇13日◇小牧市民球場

今秋ドラフト候補で誉(ほまれ、愛知)のイヒネ・イツア内野手(3年)が躍動した。

ナイジェリア人の両親を持つ超高校級遊撃手の力が光ったのは土壇場の8回だ。同点の1死一、三塁で横手投げ右腕の速球を強振し、右翼に決勝3ランをかけた。高校通算18本塁打目はチームを救う一撃。流ちょうな日本語で「今までで、一番楽しい試合でした。あの場面で出た。チームの勝利に直結してくれた」と話した。名古屋生まれの名古屋育ち。昨年6月から遊撃に挑戦する。粗削りだが、ダイヤの原石だ。

この日は12球団22人のスカウトが殺到。幹部も顔をそろえた。ヤクルト小川GMが「非常にいいモノがある。天性のハンドリング、リストの強さ、柔らかさがある」と話せば、巨人水野スカウト部長も「手足も長い。動きもいい。体の力もある。高校生で大型ショート」と絶賛。イヒネも「高卒でプロに行きたい」と言う。2安打4打点。上位候補に浮上してもおかしくない。

▼誉・矢幡真也監督(19年夏以来の甲子園へイヒネの決勝弾で好発進)「あれだけのパワーがある。よくやってくれた。向こうに本塁打を打たれていた。『負けずに打て。お前たちの方がパワーがある』と言った」。