新庄東が米沢工に2-1で競り勝ち、13年以来9年ぶりの8強を決めた。新庄東のエース右腕・土田映瑠(える)投手(3年)が9安打1失点11奪三振の力投で勝利に貢献。県大会初完投で、チームの久々の8強に花を添えた。

前日15日に断たれた流れを、エースの快投で引き戻した。15日は1-1で迎えた6回裏途中で降雨ノーゲーム。1-0で迎えた5回裏に1点を返し、6回1死一、二塁と流れに乗ったところで天候に水を差され、仕切り直しとなった。土田映は「良い流れだった分、気持ちが切れてしまった。でも昨日、監督さんから『もう1回みんなで一からやろう』という声をいただいて、みんなで頑張ろうという気持ちになれました」。気持ちを切り替えて臨んだこの日は、「スライダーもキレていて、ストレートも十分コントロールできていた。とても良かったです」。最後の打者は外角低めのスライダーで空振り三振。須藤雄介捕手(3年)の構えたミットにズバッと決めた。「絶対ストレートでいこうと思っていましたが連打が続いちゃったので、調子の良かったスライダーで決めました」。気持ちよりも決まる可能性の高い方を優先し、初回から後半まで相手に当てられていなかったスライダーを選択。最後まで冷静だった。県大会初完投に加えて、自身ではめったにない2桁奪三振もマークするなど絶好調だった。

チームは昨秋、今春と8強入り。土田映は「最低限、夏もベスト8に入ろうとみんなで言っていたので、それがまず達成できてうれしいです」と喜んだ。次は18日、4強を懸けて昨夏覇者の日大山形と対戦する。同校の最高成績は09年の準優勝。準決勝進出も09年から遠のいているが、土田映は「みんな、打倒日大山形という気持ちがある」と意欲十分。「自分たちはワンマンチームではない。単打でつないで、バントで送って、手堅く1点を取る。競った試合を制するようなチームになりたいです」と意気込んだ。王者を倒し、新庄東の歴史を塗り替える。【濱本神威】